10月になると、煮物や汁物などほっとする温かい料理が少しずつ恋しくなってきます。そんな秋の食卓によく似合う野菜のひとつが里芋。一年を通して見かける野菜ですが、秋から冬にかけて旬を迎えます。今年も秋の里芋が出回る季節になりました。
里芋のおいしさといえば、なんといってもあの食感。加熱するとほっくりとやわらかく、それでいてじゃがいもやさつまいもとは違う、ねっとりとした口当たりがあります。
実は里芋は、日本ではとても古くから親しまれてきた野菜です。じゃがいもやさつまいもが日本に伝わるよりずっと前から栽培されていたといわれています。「里芋」という名前もおもしろく、山に自生する「山芋」に対して、人の暮らす里で栽培される芋だったことから「里芋」と呼ばれるようになったといわれています。そして、普段食べている丸い里芋は、土の中で親芋のまわりにできる子芋や孫芋。ひとつの親芋からたくさんの芋がつながって育つことから、子孫繁栄の縁起物として、お正月料理にも使われてきました。
里芋は乾燥と低温が苦手な野菜です。泥付きのものは洗わず、新聞紙やキッチンペーパーなどに包み、風通しのよい冷暗所で保存するのがおすすめです。冷蔵庫に入れる場合は、乾燥しないように包んで野菜室へ。皮をむいたものは傷みやすいため、早めに使い切りましょう。
里芋というと、やっぱり煮物を思い浮かべる方が多いかもしれません。
だしを含んだ里芋の煮物はもちろんおいしいものですが、里芋のねっとりとした食感は、実は乳製品ともよく合います。今回は、やわらかく加熱した里芋を、明太子とクリームチーズで洋風に。クリームチーズにほんの少し牛乳を加えることで、なめらかでミルキーな味わいに仕上げます。粗挽き黒胡椒がアクセントになり、明太子のほどよい塩気とクリームチーズのコクが、里芋のやさしい味わいによくなじみます。
煮物だけではない、いつもとは少し違った里芋のおいしさ。旬を迎える秋に、ぜひいろいろな食べ方で楽しんでみてください。

1. 明太子1本(約40g)は薄皮から中身を取り出し、クリームチーズ30g、牛乳小さじ1、粗挽き黒こしょう適量を加えてよく混ぜておく

2. 里芋350gはよく洗って泥を落とし、皮をむく

3. 皮をむいた里芋を食べやすい大きさに切る

4. 耐熱容器に里芋を入れ、濡らしたキッチンペーパーをかぶせてふんわりとラップをし、電子レンジ(600W)で竹串がすっと通るくらいまで加熱する

5. 加熱した里芋を1の明太クリームチーズに加える

6. 里芋の形を残すように全体をざっくりと和えたら完成