初夏の味覚、さくらんぼ。世界では1000を超す種類があると言われています。そのなかでも国内で最も多く生産され、人気のある佐藤錦。「赤い宝石」と呼ばれるとおり、艶やかでルビーの様に鮮やかな紅色で、光沢のある大粒の実は、さわやかな香りとともに甘みが強く、みずみずしいのが特徴です。
日本にさくらんぼが伝わったのは明治時代。当時さくらんぼの栽培は、収穫しても日持ちが悪く腐ってしまうものや、出荷の途中で痛んでしまうものなど、生産者にとって品種的な部分などで悩みの多いものだったようです。
そうしたなか、果樹の栽培を行っていた山形県東根市の佐藤栄助氏が、味の良い黄玉と、日持ちが良く酸味が強いのが特徴のナポレオンという品種を交配し、根気強く育成し誕生したのが佐藤錦なのです。現在、山形県は日持ちと味の良い佐藤錦の、全国でも一番の生産地となっています。
実をつけることのない季節でも一年中、手間隙かけて丁寧に育てられる佐藤錦が色づき始めるのは、まさにこの時期。
ぷっくりと大粒に実った粒を一つ一つ色つきを見極めて収穫されていきます。
初夏の日射しを受けてみずみずしく育った佐藤錦の美味しさを味わえるこの季節にぜひご賞味ください。