「皮をむいて食べる」。それが一般的な柑橘類の食べ方です。しかし、みかん科の中でもっとも小さい果実の金柑は皮ごとをがぶり。ジューシーな果汁が口の中に広がったと思ったら遠くでかすかな苦みがでてきます。でもそれを追い出すかのような甘みと酸味のコンビが全体を包み込んで・・・。お客様のなかにはこの絶妙なコンビを味わうことが年に一度の楽しみと言われる方もいらっしゃるほど虜になる味です。
また、金柑の皮にはおいしさだけでなく栄養も多く含まれていて、古くから風邪の民間薬として重宝されてきました。就寝前に金柑の甘露煮をコップに注ぎ熱湯で割って飲むと風邪ぎみのときや咳がひどくなりそうな時などに威力を発揮するといわれています。そのことからこの時期に一年分の甘露煮を作る家庭もあるほど。大量の金柑を大鍋で煮るのは手間がかかりますが、この味、薬効はどの季節にも必要だからとたくさんの瓶詰めを作られます。
昔は、苦くてとても生では食べにくいとされてきた金柑ですが、最近のものは品種改良がされ生でもとってもおいしく召し上がって頂けます。オレンジ色した小さな果実は見ているのもかわいいし、食べてもクセになる味わい。1月に入ると1つ1つの味がどんどん濃くなってきますので、是非生でも楽しんでください。