黒紫色に色づき、ずっしりとした存在感のある外見は日本の黒ぶどうの定番品種です。この「ブドウの王様」ともよばれる巨峰は、日本で作られました。
品種名を「石原センテニアル」というこのぶどうの歴史は、戦時中まで遡ります。静岡県の「大井上理農学研究所」の農学者、大井上康は、雨の多い日本のような土地でもできる、品質の高いぶどうを作り出そうと、オーストラリアの品種「センテニアル」と、大玉キャンベルともいわれる岡山県産の「石原早生」という品種の交配に着手します。戦時中の研究は様々な苦労もあったようですが、試行錯誤の末、昭和17年に巨峰が誕生したのです。昭和50年頃から種なしの巨峰も作られはじめ、こちらも食べやすいこともあり、人気です。
濃い黒紫色の果皮で、食味の良い締まりある果肉は、淡い緑の翡翠色。ジューシーな甘い巨峰を味わってみてください。