葱は日本では古くから栽培され、毎日の食卓でもおなじみの身近な野菜です。成長するにつれて土を盛り白い部分を多く育てる白葱、柔らかい緑の葉の部分をたべる葉ねぎなど、地域によってもさまざまな葱が作られてきました。
京都野菜のひとつでもある九条葱は、葉ねぎの代表品種です。栽培の歴史は古く、約1300年前に作られはじめたといわれ、京都の南区九条付近で作られていたものが、その名の由来となっています。
伝統的な九条葱の栽培は、一年以上の手間隙をかけてつくられます。秋に種を蒔いて春に仮植えし、夏に一度株を堀出し、天日で干して、お盆の頃に再び植え、秋の終わりごろに収穫しはじめます。
長く柔らかい緑葉は、香り豊かで柔らかく、薬味や鍋物、ぬたや和え物など幅広く使われています。霜が降るたびに甘みがまし、葉の内部のぬめりが十分にでて、柔らかさが増すこの時期、鍋物やすき焼きなど、色々な料理にお試しください。